ウルトラマーケットについてのご報告
昭和60年、南河内万歳一座は、扇町ミュージアムスクエアオープンの際、
同劇場2階に、稽古場を構え、拠点とし、劇団員を育成、地方・海外公演の実施、演劇の実験的な取り組みを発表してまいりました。後に、扇町ミュージアムスクエアは、関西小劇場の文化情報発信基地となりました。
平成15年、関西では、近鉄アート館・トリイホール・スペースゼロ・扇町ミュージアムスクエア・近鉄小劇場・近鉄劇場の閉館が相次ぎ、発表の場の著しい減少には、関西の演劇関係者のみならず、東京や全国多数の劇団も困惑しました。南河内万歳一座も、18年間一緒に演劇の現場を創ってまいりました扇町ミュージアムスクエアの閉館が決定し、大きな衝撃を受けました。
 私どもは、この劇場閉鎖問題を行政や劇場側の問題として捉えるよりも、表現者・劇団側の問題と捉え「私達は、仮に劇場が無くなったとしても、演劇の上演・発表の方法はいくらでも工夫・創造できるはずだし、私達(表現者)の努力によって、劇場でない空間でも劇場にしてゆくことは可能である」と考えました。
 そこで、大阪城ホールの中にある1200平方メートルという広大な倉庫と出会いました。内藤裕敬が代表となり、在阪劇団、マスコミ関係者、演劇関係者、大学教授の方々の協力を得て「天下の台所改善実行委員会」を結成し、倉庫を、ウルトラマーケットと名付け、関西在住劇団の大道具製作場、倉庫、そして、劇場(臨時興行場)として使用できるよう交渉、2004年3月の実験公演から、毎年春と秋に、演劇祭「大阪城・ウルトラ春の乱・秋の乱」を実施してまいりました。
ウルトラマーケット実施5年目を迎える為、昨年秋、更なる発展を目指し、私どもは3つの要望を出しました。
1.ウルトラマーケットの利用ジャンル(演劇以外)の規制緩和
現在、演劇以外の使用は、原則的に使用禁止されているので、劇場としての発展を望むならば、音楽やダンスなど色々なジャンルの利用を許可していただきたい。
2.自主事業活動による国等が行う助成事業への申請
現在、ウルトラマーケットの料金(消費税別)は、
しこみ 1日70000円
【内訳】
倉庫代(大阪城ホールへ支払い)15000円
会場設営費 20000円
音響・照明費 20000円
発電機レンタル代 10000円
発電機軽油代 5000円
本番 1日135000円
【内訳】
倉庫代(大阪城ホールへ支払い)60000円
会場設営費 20000円
音響・照明費 40000円
発電機レンタル代 10000円
発電機軽油代 5000円
となっている。この料金は、各方面に多大なる協力をいただいており、これ以上の値下げはできない。これ以外に、西倉庫を劇場にする為に多大なる費用、マンパワーがかかっている。南河内万歳一座は、劇団公演として助成金申請をし、これにあてているが、大阪城ホールからも、(劇場側しかできない)助成金申請を提出してほしい。
3.会場使用料の値下げ
1.と同じ理由で、会場使用料の値下げを検討してほしい。
上記の要望に対しての大阪城ホールの回答が、
1.大阪の演劇文化の振興のために有効利用するという公園事務局との使用条件があるので、条件変更、大阪城ホールから規制緩和の為の努力はしない。
2.大阪城ホールが自主事業を行うことによる助成金申請となるので、メイン事業であるアリーナの運営業務以外を行う余裕はない。
3.貸し出し当初から実費相当分の料金しか請求しておらず、割高な料金設定をしていない。
これに加え、私どもの「更なる劇場化に向けて努力はしないのですか」という問い「私達は一度もあそこを劇場化しようと言った覚えはない。大阪の劇場危機の緊急避難的措置として、倉庫としてお使いになられるのはかまわないけれども劇場を創っていくつもりはない」との公式回答がでました。
「それでは、当初の構想から大阪城ホールさんは方針を転換されたんですね」との問いには「初めからそうです。方針は変わっておりません」とも回答がありました。
私共は、「劇場化」は、最初からの共通認識であるものだと考えてまいりました。途中、ウルトラマーケットがある西倉庫が、公園局の公開用地だとわかってからは、大阪城ホールと共に、劇場化に向けて、多方面への交渉を協力し、可能性を模索してまいりました。大阪城ホールの「最初から劇場化に向けての方針はない」との回答は、遺憾に堪えません。
このような回答がでるのであれば、ウルトラマーケットを作るための、たくさんのマンパワー、劇団の赤字を負担することはできません。
以上を踏まえまして、現在、スポンサー募集などの金銭的負担を減らす方法を検討しています。今年度中、検討を続け、来年度以降は、年2回の劇場化を縮小、最悪の場合は撤退を決定せざるえません。
ウルトラマーケット立ち上げの際は、演劇関係者、マスコミ関係者、在阪劇団に、多大なるご協力、応援をいただきました。このような残念な結果をご報告することになり残念になりません。
演劇の状況は良くないかもしれませんが、演劇人は、だからこそ、これを逆にバネに、演劇活動に邁進することができると思っています。
南河内万歳一座
つきましては、5/15に大阪市内にて記者発表を行いました。内容については下記をご覧下さい。