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今回の新作は「宝島」ということで、このチラシの絵は、宣伝の都合上、この絵を描く長谷川君に、劇の内容を誰よりも一番最初に話すのです。今回は、簡単な話で、少なくても、君と僕は、ちょっと街を歩いて知らない路地があって、そこへ恐る恐る入って行く時にしても、お酒を呑んでても、ごはんを食べていても、どこかしらその先に宝があるんじゃないかと過ごしている。つまりどこかに何か自分の見つけたい宝があるということを半信半疑ながら信じて、もしかしたらそこにあるんじゃないかという宝探しを毎日してるよね。それが見つかるかどうかはわからない、もしかしたら、結局みつからないのかもしれないが、しかし、そうやって宝を探している毎日が、楽しくて生きてるよねと話し、この絵が出てきました。

今回の劇のモチーフは、昨年の春先に浅草の浅草寺の境内で、ホームレス同士の諍いで一人が亡くなった事件です。ホームレス同士が酒を呑んでいたり、境内で出店があり、目撃者が多く、誰が犯人かはすぐわかって、翌日連行されたわけです。しかしながら、逮捕になるまでに一ヶ月もかかってしまった。何故、ひと月もかかってしまったか。それは、浅草界隈のホームレス達が、10人以上「実は自分がやったんだ」と出頭しちゃったんですね。最初は、共犯なのかとか犯人との関わりがあって、出頭したのかと色々調べたんですが、結果的に、どのホームレスもアリバイがあり、犯人ではないとウラが取れたんですね。そして、一ヶ月後に、初めに捕まってた奴が犯人だと言うことになったんです。何故ホームレス達が出頭したかと言うと、塀の中に入れば飯が食えると思った。捕まってる間は、屋根があって、飯が食えるところで過ごせると、いう理由だったんです。まあこれを哀れと感じるかは、人それぞれでしょうが、僕は、いじめとか派遣切りにあって、うつ状態になって、命を落としてしまうという状況がたくさんある中で、紆余曲折の上、身を落とし、それでも、食う為に出頭するなんて逞しいと思いました。生きる、食う為に、手段を選ばず、前進するのねと。考えれば、勤勉に働くわけではないが、自分が必要な時に、必要なだけ、空き缶やダンボールを集める、その日暮らしをしながら、町の中を徘徊しながら、宝探しをあの方達はしてるんでしょう。そして、せっぱ詰まれば自首もするという。逞しいなと思いまして、それが、僕にできるかなあ。いがいに僕が今探している宝、手に出来るかどうかわからないけれど、それ探そうと信じている毎日の中で、決してそれは、手に入らない、俺には手が届かない宝なんだと、思った時に、その失望は、生きる気力を失ってしまうんじゃないかなあと、このホームレスは逞しいと思ったのがきっかけでした。
どこかにあるもしかしたら、手にできないかもしれないけれど、その宝を目指して、今を生きる事はできるが、宝を失った時に、僕達はどう立ちつくすのか、ということと、宝を探していく毎日をふくらませて遊んでストーリーにできないかというのが最初の一歩です。
今回のストーリーは、二転三転、していくもので、話すと種明かしになっちゃうからあまり言えませんが、まあばかばかしいですね。オープニングは、アパートの一室で、軍艦島の炭坑夫みたいなのが地下1000mの坑道から上がって来て、風呂に入るところから始まりますからね。
僕らの年齢前後の方は、この島は宝島だと思い込まされて成長してきたと思います。徐々にバブルの崩壊とか災害とかで怪しくなってきて、今は、果たして、この国は、宝島なのか、宝島でないのであれば、ここにはいられないのかもしれないなというのがボツボツ出てくるんじゃないの。全体を通して、色んなことを遊ぶのですが、ずっと、僕の頭の中を離れないのは、僕達が生きているここは、果たして宝島なのかなあということです。