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南河内万歳一座「満月」記者懇親会レポート


内藤:みんなの歌シリーズは、ウルトラマーケットが出来たときに、3部作を作り、上演しました。新しい劇空間になったこともあって、どういう風に自分達の手にいれようかと探りながらだったという記憶があります。
 1作目の「みんなの歌」は、HEPHALLで上演したのですが、そこからウルトラマーケットに移りました。当時、手探りだったこともあって、もう1回ちゃんと作りたいという思いがあり、今回の再演に至っております。
再演に際して、3部作とも熟読しましたが、まず「みんなの歌(1)」は、当時、練炭自殺が流行っており、モチーフになりました。相当、馬鹿馬鹿しいことをやっておるのですが、モチーフがモチーフだけに暗かったことが反省点です。「みんなの歌・2」はデフレの真っ最中で、閉塞感、行き止まり、右肩上がりが左肩下がりに変わり、止まっちゃったみたいな社会の在り方を電車内でやったのですが、これも、相当馬鹿馬鹿しくやったのだけど、洒落にならなかったのかもしれないなという気がします。
そして、「みんなの歌・3」は、世の閉塞感の中でどうやって前を向くかということをやりたくなり、それが、魂の話になり、お葬式の話になり。そんなことで、やはり暗かった。というのが、今思うと、作品としては、このまま上演しても好きだけどなと思ったけど、そういう欠点はあると認識しました。
 3作品とも共通点は、列車がからむということです。列車を、その当時の世間とか社会の暗喩と捉えて、電車が行き先不透明だとか、気がついたら行き先を変えていたとか、そこでやっと間違った電車に乗ったことに気づいたとか、そういうエピソードが転がっていくところがあります。今回の背景は「みんなの歌・2」の電車で起こる出来事となります。
 タイトルの「満月」ですが、実は月にまつわる本を読みまくっておりました。物理学的な本を読んだのですが、難しくて読み切れなくなりました(笑)。実際に、私が書く劇世界とは、関係ない事が途中でわかりまして・・・。その中の何作かに、オカルトちっくなものがありました。変身するとか、民俗的な民話や何故そうなったのか解説しているものとか、お読みの方が多い作品で「月の魔力」という本があるのですが、おおまかにいうと、満月の日は、大潮ですので、潮が満ちるわけですが、それは御存知のように月の引力によって、一番それが働く時期となって海面が引っ張られるわけですから、引力が一番強く働いている地域に潮が満ちると、他の地域は、潮が引く。時間の移り変わりと共に、その引力の力関係が移動するので、満潮時間がどんどん他の地域に移っていく。人間の体も80%引力だということで、人間の体も月の引力で何らかの影響をうけるはずだ。満月の日に、極端な殺人事件が多々起きる。漁師は、満月の夜は、漁をやってないのです。明るすぎて魚が獲れないんですね。雲ってたら獲れますけれど。満月の大潮は、潮が動くので、漁には最適な日なんですが、満月って晴れてると、イカ釣りなんかも全然ダメだって、まあそんなことも含めて、民話として満月の日に人魚とか何か出て来るという形で残っていると、本に事例も出て来るんですが。まあ、実際、満月の日じゃなくても変な事起きてるので。たまたま満月の日に起こったことを集めただけって見方もできますね。ただ、その本のおもしろい所は、そういうことを全部満月のせいにしちゃってるところです。俺も、満月のせいにしちゃおうかなって言うのが、今回の発想でして、海とか海底というものをモチーフにしておりまして、最終的にそのイメージがそこに帰結するのです。 朝方、電車に乗っておりますと、冬場は真っ暗なんですが、目的地に近づくと、青暗い夜明けを迎えて、人気のない、シルエットで、ビルの影だけが浮かぶ街を、電車から見ています。すると、まるで、そこが海底のような気がするんですね。海を潜って海底に行くと、人はいないですし、仮にそこに自転車が沈んでいたりとか、空き缶が沈んでいるとか、人が作り出したものが沈んでいると、廃虚、滅んでしまった街のイメージを受けるんですね。それと同じようなイメージを夜明け直前の車窓から見る街にありまして、それは、夕方の時間もそうなんですけど、もしかしたら、この街は海底に沈んでしまっていて、私達は、それに気づかず、生きてしまっているのかもしれないと、ふっと頭をよぎるわけです。そのことを海底から見上げた海面の向こうにある月を街から見上げたらどうなるのかなとそんなことをモチーフ、下敷きにして、ストーリーを運んでいこうと思っています。実際には「みんなの歌」で出て来た登場人物も出て参りますし、「みんなの歌・3」に登場したモチーフを出て来ますので、とりあえず「みんなの歌・2」を舞台に1と3の面白いところをコラージュしながら、ひとつにまとめて新作に近い形にするというコンセプトになっています。

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